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元本の返済も不要とした東京高裁判決について

どのようなものがありますか?

金融業者が、約2,160万円の住宅ローンや約350万円のサラ金の借金を、長期低利で借り替えることを希望する債務者に対して、自社が長期低利で融資すると偽り、債務者の物件に根抵当権を設定したものの、騙されたことに気づいた債務者が、貸金債務3,160万円の不存在と根抵当権の抹消を求めた事件があります。

この事件では、この業者の行為は借主を窮迫させたうえで、多額の経済的利益を得る目的でなされており、公序良俗違反であるとして、貸金債務の不存在と根抵当権の抹消を認めた一審判決を支持し、金融業者の控訴を棄却しています(東京高判平14.10.3)。

上記や前述の事件は、平成15年の法改正以前の事件ではありますが、債務者は元本についても返済義務はないと認めたうえで、被告業者側に対して不法行為に基づく慰謝料や損害賠償の支払いも認めています。

根抵当権とは?

根抵当権というのは、普通の抵当権※のように借金を返済し終われば消える一度だけのものではなく、期限がくるまでは、借主がお金を借りるたびに何度でも債権担保のはたらきをするものをいいます。

※借主が借金を返済できなければ貸主が抵当にとった家や土地を競売して、その代金で貸したお金を回収する権利のことです。


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