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暴利の場合は元本も返さなくていいかについて

元本の返済も不要なのですか?

出資法の法改正の際、ヤミ金業者による暴利行為というのは、公序良俗違反ですので、利息ゼロというだけでなく元本も返さなくてもよいことにせよという意見もあったようです。

しかしながら、債務者が元本の返済まで免れるということになりますと、モラルハザードを起こしやすいとして、改正法では利息部分のみが無効になるとされました。

ただし、裁判所の暴利契約に対する姿勢は厳しいもので、元本の返済も不要であるとした、この改正法以上に債務者に味方した判例もあります。

元本の返済も不要とした東京地裁判決とは?

貸金業者から8万円を借り受けた債務者が、半年間で8回計24万円の利息を支払わされたとして、業者に受領額※の受領と支払額との差額を不当利得として返還するよう求めた事件では、裁判所は次のように判断しています。

⇒ 「本件約定利息は年利750%にも達し、暴利行為で公序良俗に違反し、利息制限法の範囲内の部分も含めて契約は無効である」

そして、業者の受け取った利息は不当利得に当たり、しかも業者は民法704条にいう悪意の受益者にあたるとして、差額17万1,620円の返還を業者に命じています(東京地判・平14.9.30)。

※利息と手数料を天引きされたため48,000円


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