キャッシング・ローンの法律研究室



貸金業者の誇大広告

・誇大広告の禁止について
・具体的には…


誇大広告が禁止されたということですが…?

平成15年に貸金業規制法が改正されて誇大広告が禁止さました。

具体的には、改正後は従来の誇大広告の禁止に加えて、勧誘行為も規制対象になりました。また、誤認を与えやすい表示や説明が例示されるようになりました。

ここで、どのようなものが広告や勧誘において誤認を与えやすい表示や説明なのかが気になるところです。

次のものの一部は、旧貸金業規制法の下でも、貸金業規制法施行規則に規定されていたものなのですが、改正によって格上げされたものです。

これは、旧貸金業規制法の目的が、「誇大な広告(誤情報)を抑止することにより、借主に誤った判断をしないようにする」ことだったのに対して、改正後は、その目的が、「貸付条件の広告だけでなく、勧誘等、貸金業者の業務に関する項目まで規制対象とした」と拡張されたからです。

■顧客を誘引することを目的とした特定の商品を、その貸金業者の中心的な商品であると誤解させるような表示や説明
■他の貸金業者の利用者または返済能力がない者を対象として勧誘する旨の表示や説明
■借入が容易であることを過度に強調することにより、資金需要者の借入意欲をそそるような表示や説明
■公的な年金、手当等の受給者の借入意欲をそそるような表示や説明
■貸付の利率以外の利率を、貸付の利率と誤解させるような表示や説明

さらに具体的にはどうですか?

では、もっと具体的に「年金受給の方、すぐにお金貸します。保証人は要りません。」といったような広告はどうでしょうか?

こういった文言は「公的な年金、手当等の受給者の借入意欲をそそるような表示や説明」に該当しますので違法な広告・勧誘になります。

実は、この「公的な年金、手当等の受給者の借入意欲をそそるような表示や説明」については、悪質な業者が年金受給者をねらって勧誘・融資を行い、その担保として年金証書や通帳、キャッシュカードを預り、それを管理することで、年金を返済金や利息名義で引き出す被害が社会問題化したことから改正された経緯があるのです。

そして、もし法令違反の場合には、貸金業規制法にもとづいて業務停止になるという罰則がありますし、年金手帳や預金通帳などを預かった者については、1年以下の懲役もしくは300万円以下の罰金、またはその併科という罰則もあります。

ちなみに、法律上の「過度」というのがどの程度のものなのかというのが、またまたわかりにくいと思いますが、これについては結局のところハッキリしません。

たとえば、貸金業規制法では、広告や勧誘について次のように定めています。

「貸金業者は、その業務に関して広告又は勧誘をするときは、資金需要者等の返済能力を超える貸付けの防止に配慮するとともに、その広告又は勧誘が過度にわたることがないように努めなければならない」

でも、これを読んでも「過度」の解釈についてはやっぱりよくわからないのです。

しかしながら、貸金業規制法によって、過剰貸付けの禁止が規定され、また業務停止などの罰則があることを考えますと、たとえ広告の内容に問題がなくても、その広告の頻度や場所、時間帯、広告の対象者によっては、安易な借入を助長することにもなりかねませんので、そういった面から「過度」であるかどうかが判断されるものと思われます。


貸金業者の誇大広告
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